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五美大展で気がついた いくつかのこと

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 五美大展を初めて見た。

 

 改めて確認すると、多摩美大、武蔵野美大、女子美大、東京造形大、日大芸術学部が参加。国立新美術館で展示される他、各大学の大学美術館等でも卒展は行われる。五美大展は簡易縮小版と言ったところか?絵画や彫刻の展示のみで、デザインや映像、アニメの専攻の展示は無い。
 東京藝大が居ないのはまるで五山制度みたいだ。

 会場は作品数の割には広く感じたかもしれない。学校ごとに展示室の分け方が違っていて面白い。一番ゴミゴミして見えたのは造形大だった。割り当てられている面積が狭いのだろう。だが、手前味噌ながら、造形の作品は面白いもの、ヘンなもの、でかいものが多くてよかった。
 とにかく美大の卒業生が五美大だけで毎年これだけいるというのが驚きだ。

 面白かったのが、絵画や彫刻を専攻しているはずなのに、どこの大学でもモニターが一個か二個は必ずあって、アニメを展示していたこと。どこでもひねくれ者というか、変わった人はいるんだなと思った。もちろん映像作品や作品を記録した映像の展示もあったが、思っていたよりは少なかった。

 絵画が手堅かったのは多摩美だろう。造形も悪くない。女子美武蔵美も何点か記憶に残る作品があった。かといって手堅ければ良いというものでもないが。
 
 多摩の「毛抜き屋」の展示(作者名失念)みたいな、行為の記録の展示が少ないのが意外だった。他に多摩では「笑み」(二反田彩)の張り子の狗が謎。こういうヘンな作品をもっと見たい。
 武蔵美では「ユニコーンの買い物」「台風と犬(トリオ)」(脇田あおい)が不思議な世界観を打ち出していたが、この作家のように複数の作品を見せないと作家の世界観や思想などを深く読み込み考えることは難しいと感じる。その意味でやはり五美大展には無理がある。できれば各大学での広い会場の展示を見たいものだ。他には武蔵美の「今日の為の間」(田中佑佳子)がほとんど唯一、原発問題を扱った作品だったので記憶に残った。美大生はどこの学校でも政治性がなさすぎやしないかと感じる。
 女子美は岩本麻由さんの作品何点かと、丸森初音さんの構築物がおもしろかった。

 多摩美日本画では図録を、女子美日本画ではリーフレットを独自で配っていたのが不思議だった。日本画は別格の存在なのだろうか。他に女子美では日本画以外の卒業修了作品が載ったリーフレットを、日芸では絵画コースの卒業修了制作が載った冊子をもらった。

 もう何年か続けて見ると様々な傾向が分かってきて面白いのだろうと思った。